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  • koyama

「同一労働同一賃金」への対応手順

最終更新: 4月10日

前回は「同一労働同一賃金」が求められる社会的背景と取り組みの3つの柱をお伝えしました。今回は「同一労働同一賃金」への対応について。実際にどのように進めていけばよいのでしょうか。


まず、対応が必要かどうかを判断するにあたって、厚生労働省の提供している「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」にとても分かり易いフローがあります。



(出典:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」)


最初に確認すべきは対象となる短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者がいるかどうかです。もしいなければそもそも対応を行う必要はありません。ここで対象となっている「短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者」とは以下のような労働者です。

  • 短時間労働者:正社員と比較して1週間当たりの所定労働時間が短い労働者

  • 有期雇用労働者:雇用契約期間の定めのある労働者

  • 派遣労働者:人材派遣会社(派遣元)との間で労働契約を結んだ上で、派遣元によっ て派遣元が労働者派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に派遣され、派 遣先の指揮命令を受けて働く労働者

派遣労働者を受け入れている場合には「派遣労働者の同一労働同一賃金」への対応が必要です。「派遣労働者の同一労働同一賃金」は、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム労働者、いわゆる正社員)と派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消すること等を目指します。


派遣元事業主は「派遣労働者の同一労働同一賃金」に関しては不合理な待遇差を解消するため、「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」のいずれかの方式により、派遣労働者の待遇を確保することが義務化されます。


派遣労働者を受け入れている事業主は労働者派遣契約を締結する前に、あらかじめ、派遣元に対し比較対象労働者の待遇などに関する情報を提供しなければなりません。また、1.派遣元の求めに応じて派遣労働者に対しても業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練を実施する義務、2.福利厚生施設については利用の機会を与えるもしくは配慮する義務、3.派遣元の求めに応じて派遣先の労働者に関する情報、派遣労働者の業務遂行状況などの情報を提供するなど必要な協力をするように配慮する義務、の3つの教育訓練の実施・福利厚生施設の利用機会の付与・情報提供に関する義務があります。


では「待遇」には何が含まれるのでしょうか。基本給、賞与、各種手当はイメージしやすいと思います。また福利厚生、キャリア形成・能力開発などを含めた取組が必要であるため、これらの待遇についても厚生労働省からガイドラインが示されています。


例えばこのガイドラインの中では、食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設の利用、転勤の有無などの要件が同一の場合の転勤者用社宅、慶弔休暇、有給保証については正社員と短時間労働者、有期雇用労働者とは同一の利用・付与を行わなければならないと定められています。


短時間労働者、有期雇用労働者がいる場合、以下の図のような手順で進めることをお勧めします。


(出典:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」)


短時間労働者、有期雇用労働者と正社員とでは働き方や仕事の役割が違うので、それに伴って待遇に差が生じることはあり得ます。上図の「手順3」にあるように、待遇が同じでなくてはならない、のではなく、働き方や仕事の役割の違いに見合った「不合理ではない」待遇の違いでなくてはならないという視点で確認を進めてください。


働き方改革という言葉が世間一般に広まったことで、労働環境に対する労働者側の関心は高まっています。自身の働く環境を見直し選択する労働者が多くなっている現在、様々な働き方を求める労働者にとってより魅力的な企業となるべく、労働環境をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

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